そもそも「昇進や年収がアップすればキャリアアップになるのか?」「スキルを磨くことがキャリアアップなのか?」など、キャリアアップの定義自体が漠然としてよくわからない人も多いかもしれません。
キャリアアップとは、「より高い能力を身につけて、経歴を高めること」を意味します。
例えば、次のようなケースがキャリアアップに該当します。
・ マネジメントに携わる(実行力が期待される)
・ 部長や課長へ昇格・昇進する(能力に準じた責任を持つ)
・ 転職によって年収が上がる(自身のスキルと経験が必要とされる)
・ アルバイトや派遣社員から正社員になる(スキルが認められる)
・ 独立・起業する
マネジメントを経験したり、役職や地位が向上したり、非正規から正規へと雇用形態が変わったりとパターンはさまざまですが、いずれの場合も仕事の幅や裁量が広がり、経歴が高まっています。
またキャリアアップすることで、自分の市場価値も高まります。キャリアアップを目指して転職する人は多く、現職より高い収入やポジションへの転職は「キャリアアップ転職」と呼ばれています。
「キャリアアップ」と似た言葉に「スキルアップ」があります。キャリアは「経歴」、スキルとは「技能」「能力」を意味する言葉です。
よってスキルアップとは、個人の技能や能力を高めることを指します。
例えば、次のようなケースがスキルアップに該当します。
資格や技術を取得する・ TOEICやMOS、IT-Pなどの点数を伸ばす
・ マクロを組めるようになる
・ 複数の工程をオペレートでき稼働率を向上させる
・ 既存充実させ新規開拓営業のための顧客へのアプローチ技術を習得する
スキルアップとキャリアアップは言葉の意味は異なりますが、この二つは密接な関係にあると言えます。
まずやるべきことは、「なぜキャリアアップしたいのか」という動機や「何をもってキャリアアップとするのか」という目的を確認することです。「係長から課長になりたい」「システムエンジニアからITコンサルタントになりたい」などとキャリアアップのゴールを職種や役職で語る人は多いのですが、それだけでは不十分です。
「その職種や役職でどんな役割やスキル、達成感を求めているのか」まで掘り下げてキャリアプランを描くことが、キャリアアップへの第一歩となります。
キャリアアップを成功させる人には、いくつかの共通点があります。
・ 自分ができること・できないことを明確化できている
・ 「自分ができることで会社に貢献する」という意欲や、
できないことにも積極的に挑戦する貪欲さがある
・ 転職先に入社した後も、自分のキャリアビジョンやプランを上司や
周囲に発信し行動が伴っている
・ 新しい知識や情報、考え方などを素直に受け止められる
上役にキャリアビジョンやプランを伝えたとしても、そのための知識や実力がなければいけません。報告で語ったことが業務で遂行できなければ信用は失墜するでしょう。企業は正確性は当たり前で、しかし同じ業務を短時間でできる人材を優遇します。任された業務に忙殺されるのは、自身のスキル不足と思い自助努力ができるかどうかが問われます。新しい環境に慣れるだけで精一杯になりがちですが、それを理由にキャリアプランの実践がおろそかになったら転職しても今より悪い環境になるでしょう。
この職場で自分が目指す姿や経験したいことをみずから発信し、チャンスがあれば声をかけてもらえるように自分自身でブランディングやプロモーションをしていくことが、キャリアアップの成功につながります。
残念ながら転職後のキャリアアップに失敗してしまう人も沢山います。せっかく転職したものの、「希望通りの業務を与えられない」「やりたいことに挑戦するチャンスが巡ってこない」といった不満を抱えるケースです。
ただしそうした状況に陥ってしまうのは、「自分はこの職場でこんな将来像を実現したい」というキャリアアップへの思いを上司や周囲に発信していない人がほとんどかもしれませんし、そもそも求められている実力が足りないせいかもしれません。
目の前の業務を淡々とこなすことさえ出来なくそのままにしていれば、そのうちチャンスが巡ってくるような恵まれた環境ばかりではありません。確実にキャリアアップしたいなら、資格取得に挑戦したり、日々勉強し、突然現れるそのチャンスをしっかり掴めるように、主体的にキャリアアップについての考えを周囲に伝え同時に行動していくことが大事です。
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