世の中は「人手不足」というキーワードを毎日のように読み聞きしますが、総務省統計局が出した労働力人口(15 歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は2023年平均で6925万人と、前年に比べ23万人の増加となっています。
男女別でみると男性は4万人減少したものの、女性は28万人の増加となっています。労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要「人手不足」が叫ばれている原因は労働力人口ではなく、「生産年齢人口」が減少しているからで日本の15~64歳の人口を示す「生産年齢人口」は近年減少を続けており、直近の20年間で1,000万人以上減少しています
労働力人口は増えているのに生産年齢人口が減っているのは、「労働力人口」の定義が「就業者と完全失業者の合計」で、言い換えれば「実際に働いている者、または働きたいという意思を持ち、仕事があればすぐに就くことのできる 者」ということだからです。
例えば、生産年齢人口に含まれない65歳以上の人であっても、実際に働いていたり、求職中で働く意思を持っていれば労働力人口に含まれます。そのため、今まで労働力人口に含まれていなかった人々の労働参加が進むと、生産年齢人口が減少しても労働力人口は増加することが発生します。実際、ここ20年間で女性や高齢者の労働力人口は 増加傾向にあり、特に高齢者の増加はコンビニ店員やファストフード店員を見れば顕著ですよね。高齢者の方々が土日勤務してくださったり、早朝夜間営業を支えてくださるお蔭で私たちは便利を享受しているので感謝です。20年後は24時間営業は無くなってしまうのでしょうか。それともロボットが作ってロボットが配膳するようになるのでしょうか。
しかしデジタル時代の現代はアップデートの速度も昭和の比でない速さでおこなわれ、スマホもPCも毎年性能は上がり産業機械や設備もデジタル化が進みどんどん自動化されていますが、「計画する」「調整する」「メンテする」は、まだ人の介入余地があります。今は出世したくない若い世代が多いらしく、すると中間管理職はAIに代替されるのでしょうね。2022年1月から電帳法も施行され受発注など国税関係書類はデータ保存が必須になり、既にEDIやメールのPDFで行っていますし、昭和の頃のように接待も激減しました。新規の営業もAIに代替されてしまうのかもしれませんね。
AI知能搭載の人型ロボットなども出てはいますが、ペッパー君あたりから「いらっしゃいませ」と言われるよりも人間から「いらっしゃいませ」と言われた方が気分が良いと感じるのは、例えば介護問題でいうと、介護はロボットでなく人間にしてもらいたいと思うことと同じ人間の本質で感情なのかなと思います。
さらに日本の高齢者の労働力を率で見ると、既に主要国の中で最も高い水準であります。2018年の総務省とOECDデータでも突出しているのが分かります
それは大手製造業の様に1種類の生産ロットが千や万単位ではなく、1個だけもあり、5個とか10個がメインなのでロボット導入してもロボットの段取り時間で加工ができてしまうマンパワーな会社だからです。しかし年齢から来る仕方のない体力などの衰えにはロボットが補佐的仕事をしてもらうのは必要不可欠ですが、ロボットをコントロールするのもオペレートするのもデジタルスキルが必要でとても難しい課題であることは間違いないです。
もし1日に5回以上段取りが発生する多品種少量生産製造業で、自動化やロボット化ができなくとも省力化できれば、それは他社のロールモデルになれる可能性があるので、挑戦するのに値するはずなので日々トライ&エラー繰り返していきます。
既に自動倉庫に自動供給、自動金型交換装置など産業機械メーカーからは出ていますが、CADCAM(またはサーバー)からPiBL+バリ取+タップ+YGにSW+溶接と1つのライン組むにも億単位の投資が必要で、最低3ライン組むとなれば自動車業界の請負仕事で24時間操業でなければ回収できないので現実的ではありません。
そこで40年以上培ってきた加工技術と関係協力会社と協力し、規模は小さく余力なくともメーカーを目指すべく自社製品開発も行い展示会などの機会で発表する展開を行っています。
最近では令和の米騒動などありましたが、将来の国内食糧問題を解決したく異業種ですが農業分野事業も挑戦していけたらと思います。
AI時代に突入した現代で再度、現場作業が日の目を見る日は近いと信じ努力していきます。そのためにCADも抜きも曲げも溶接も技術者の育成こそが最大の投資としアナログ製造=マンパワー製造を貫く会社が少しあってもいいのかなと思っています。
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